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イタリア在住の日本人の方はもちろん、日本でも、6月12日・13日の両日に、イタリアで行われた国民投票についてはすでに知るところとなっているとは思いますが、今日はそのイタリア・国民投票結果に焦点を当ててお話します。

今日は少し長くなります。


今回のイタリアでの国民投票は、国内はもとより、国外、いや、世界中で注目の的となっていた事はご存知でしょうか。
なんせ、あの悲惨な東北大地震、そして福島原発事故後、世界で初めて、原発の是非を問う国民投票が、ここイタリアで行われたからです。

イタリアでは、国民投票は50%を上回る投票率がなければ無効になる、という法があります。
2人に1人は投票に行かなければ、結果がどうであれ、無効になってしまうのです。

これはかなり厳しい投票率です。日本の投票率を振り返ってもらえば分かると思いますが、50%はかなり高い数値です。
イタリアでは幾度となく、膨大な税金を投与して国民投票が行われていますが、ここ16年間、一度も投票成立までの50%を超える事が出来ず、無効になっています。
20-30%台の投票率を保つのでさえ難しい状況ばかりだったのです。

過半数を超えれば、なんとかなるだろうとは思っていましたが、
焦点はまさに、過半数を超えるか超えないか。これに尽きました。

それが、最終的には55%もの投票率で、国民投票は成立!
しかも、投票項目4項目全てで90%を上回る率で、法案阻止が決定しました。

決定した瞬間、私は旦那と飛び上がって大喜びしました。
多くのイタリア人がそうであったように。

今回の投票で、これほどまでに「選挙権が欲しい!」と思った事はありませんでした。
きっと、在伊日本人の多くが私と同じ心情だったのではないかと思います。
日本にいた頃は、正直、政治には興味がありませんでした。選挙なんて面倒くさい、とまで思っていましたし。

でも、選挙権がない、というのは、「自分の考えが示せない」「意見を言えない」という事。
「No」とすら言えないのです。言っても無視されるだけ。聞いてももらえないのです。

唯一私に出来た事と言えば、SNSやネットを駆使して、多くのイタリア人に「投票に行って!」と毎日毎日呼びかける事くらいでした。


今回の国民投票の始まりは、
現首相、ベルルスコーニ氏が、2008年から原発再開を模索し始めたのがきっかけ。
フランスから原発再開に必要な建築物、技術、人材を集め、高額な税金を投与して買い取り、議会でも強引に原発再開計画を推し進めましたが、野党の反発が強く、野党側が国民から署名を集め、なんとか国民投票まで持ち込んだのです。


今回の法改正に関する国民投票では、
「原発再開」「水道水の民営化に関する2項目」「閣僚の訴追免除法」
の4項目の是非が問われました。


最後の「閣僚の訴追免除」は、なんで原発と一緒に??と思われた方もいらっしゃるかもしれないので、
説明をしておきますと、この法案が認められれば、首相、特にTOP3に位置する政府高官は、「お仕事が忙しければ、罪を犯して裁判にかけられてても、裁判所に行かなくてもいいですよ」という法律で、現首相はただいま公判真っ只中。しかも4つの裁判が進行中。
これは是非にでも早急に法案を通して成立させたいわけです。なんせこの法案が通れば、出廷拒否がすぐにでも出来るんですから、早くしたいと躍起になるわけです。

その裁判の一つが、世界中の非難の的となった、「未成年の売春容疑」です。
二つ目がこの少女が窃盗容疑でミラノの警察に捕まった時、権力で(お金も?)釈放させたのが、「職権乱用容疑」。

売春の事実はない、とどちらも否認しているが、17歳の少女に700万円もの大金を「無償で」プレゼントした事は二人とも認めている。連夜、首相の自宅で、大勢の若い女性を招いて「裸パーティー」なる物を行われていたのは、この少女が認めている。

まったくもってイタリアの恥。
世界各国でどれだけ皮肉られたか。

フランス大統領、サルコジ氏の妻、カルラ夫人は、元イタリア人でしたが、
この時、「イタリア人じゃなくてよかった」と発言したほど。

私は、イタリア人ではありませんが、イタリアに住む者として、恥ずかしくて仕方ない。
今まで何百件という容疑をかけられては、お抱えの弁護士軍団を駆使して、「期限切れ」まで持ち込んで、裁判無効にしてきたけれど、今回ばかりは難しい。ってなわけで、「法律を変えちゃおう!」となったわけです。

そんな「自分のためだけ」の法律を、通す義務がどこにあるのでしょうか?
国民投票に持ち込まれなかっただけで、彼が通してしまった「彼のための法律」は、今、数多く存在しているのです。


水道民営化は、お分かりの通り、水を私物化しようとする法律ですね。
水は必要不可欠かつ貴重。であるがゆえに、それを金儲けの道具に利用したいと考える人は実際には山のようにいるのかもしれません。

でも断固として手をだすべきではありません。
水は自然の物。個人が手をつけて私腹を肥やすための物ではないはずです。


原発は・・・たとえ、福島の原発事故がなかったとしても、私は昔から反対派でしたので、
「先進国で唯一原発を持たない国、イタリア」を誇りに思っていました。

ただ、ヒステリックに「原発反対!」と言っているのではありません。
どんな物でもそうなように、原発にもメリット、デメリットが存在するのは承知の上。
それを踏まえて、私は反対なのです。
原発は一度に大量のエネルギーを作れるため、電気料金が安くなります。
原発の有無で毎月の料金が数千円違うと言われています。

イタリアでは原発がないため、フランスから原発エネルギーを輸入しています。
原発がなく、その他の発電方法だけでは電力不足のため、輸入に頼るので、電気料金はヨーロッパ1高い国になります。ガスも同じくロシアなどから輸入しています。

かねてから公言していますが、うちは裕福ではありません。
毎月の電気代が数千円も違うなら、どれだけ助かるか・・・。

それでも「健康」には変えられません。
原発の汚染物質は、各国で様々な方法で処理されていますが、どれも完璧ではありません。
いまだに100%漏れない方法、は確立されていないのです。

つまり、どこに隠そうが、漏れ出ている、という事です。
放射能がDNAを傷つけるのはご存知でしょう。様々な害を及ぼす事は、すでに周知の事実でしょう。
自分はどうでもいい、と思う方でも、自分の子供や孫が病気に苦しんだり、障害を持って生まれてきたり、そう考えるとどうでしょうか?それでも数千円の光熱費には変えられませんか?

可能性論を話しても現実味がないかもしれませんが、
人の命、健康は、何にも変えがたい物だと、生きてこそ、だと私は思うのです。

再生可能なエネルギーの模索に真剣に取り組まずに、
いくら害がない程度の放射能だと言われても、説得力に欠けます。

原爆を世界で唯一体験した国が、原発推進国、というのも皮肉な物です。
周りのイタリア人からも聞かれます。
「どうして日本は被爆しているのにあんなに原発を作ったの?」

広島では「平和の灯」がありますが、あれは、世界から原爆がなくなれば火が消える、と謳われていますよね?
私は昔から疑問に思っていました。
「じゃあ原発は?」
兵器としての利用じゃなければ、同じ核爆発でもいいって事でしょうか?

広島、長崎自体は、「原発反対派」としていますが、
あれほど「原爆は恐ろしい物だ」「持つべきものではない」と小さい頃から教えられ、国としても「原爆反対」を掲げているのに原発はOK?

昔から理解出来ませんでしたが、今でも理解出来ません。


多くのイタリア人が、福島の事故を見て、「怖い」「原発反対」と口を揃えて言うようになりましたが、
ただ、イタリアで原発がなくても、すぐお隣の国、フランスは、原発推進国。
国境付近にいくつか原発があるので、フランスが事故を起こせば確実に巻き添えになります。

イタリアにないから、と言って、安心できるわけではないのです。
そこは分かっているイタリア人が多いのも救いです。
これからの課題が分かっていると思いたい。

それにイタリアはフランスからの原発電力に頼っている、という点も重要視するべき点です。
原発反対なら、そのエネルギーを輸入するのも矛盾します。
ただ、それに変わるエネルギーがまだ確保されていません。
再生可能エネルギーの開発に今以上に力を注がなくてはならないでしょう。
新たな挑戦にはコストもかさむし、時間もかかるし、楽な道ではありません。

問題点はいくつもあります。

それでも前進していかなければならないと思います。

今回の国民投票で、イタリア人は自分達の意見を示す事が出来ました。
一歩前進です。
イタリアは嫌いだ~!といろいろ愚痴をこぼす私ですが、今回ほど、イタリア国民を誇りに思った事はありません。「やれば出来るじゃん!」と・・。

イタリアに住んでいてよかった、と、そう思えた一日でした。
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2011.06.16 / Top↑
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